〜株式会社 駐車場綜合研究所 大嶋 翼さん〜 (2/2)
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長年の経験とクオリティの高いサービスを武器に、
現在は中国でもホスピタリティの高い駐車場を拡大中
玉谷現在は中国での駐車場ビジネスに力を入れていらっしゃるとお聞きしましたが、いつ頃から注目されていたのですか?
大嶋起業した頃から気になったところがあって、少しずつですがずっと関わって来ています。
玉谷まさに先見の明ですね。最初に行かれた時はどうだったのですか?
大嶋何も耕していない荒野のようなものですね。中国で50年近く駐車場に関わっていると言うと、向こうでは車があるかないかの時から関わっていることになるんですよ(笑)
玉谷確かに、そうですね。
大嶋日本でもホスピタリティの高いオペレーションをする駐車場というのは、まだそんなには浸透してはいません。ようやく最近そういう意識が高まってきているという感じです。でも中国で私たちの考える最高レベルの提案をすると、それを採用したいという返事がほとんどです。何もないところからいきなりトップレベルのサービスの駐車場ができるのは、中途半端なものがないから逆にいいのかもしれません。中国でもあと3年くらい頑張れば、しっかりとしたビジネスになると思います。私が今年の12月で70歳なるので、あと3年で73歳。それくらいなら何とか見届けられるのではないかと思っていますよ(笑)。
玉谷しかし中国でのビジネスは結構難しい面があるという話もよく聞きますが……。
大嶋それは日本人が勉強しなさすぎです。現地の文化に溶け込んでいない、現地の人のことを知らなすぎるんですよ。顔が日本人に似ているからといって、日本人と同じように考えているわけではありません。私が思うに、中国の人たちはどちらかというと欧米的な考え方やライフスタイルを持っていますね。
玉谷もっと相手のことを知らないといけない、ということですね。
大嶋ホテルや一流レストランに行くばかりじゃなく、もっとその地元というかリアルなところに行ってみたりした方がいいと思いますよ。危ないとか考えるのではなく、本当のことを知らなくては文化や考え方は理解ができないですから。あとビジネスを人任せにしないこと、自分で動くことが大切だと考えます。
玉谷肌感覚でわからないと本当のビジネスは難しいですものね。
大嶋その通りですね。私はエリートコースを歩いてきた人間ではないから、つい自分が動いてしまう。でもそこが逆に強いところなんですけどね。
玉谷失礼ながら、70歳を前にして自分で動かれるというのが、他人にはなかなか真似ができないことです。
大嶋ちょっと話は違いますが、依頼を受けてセミナーで話をしたりすることも多いのですが、そこからすぐ仕事につながるということは滅多にないのですが、何年か経って連絡があったりします。それはこちらが相変わらず、同じようにやっているからなんでしょうけどね(笑)
玉谷まさに継続は力なり、ですね。
大嶋長さというのは、ひとつの力になりますね。私はそれを“万里の長城理論”と呼んでいます。あの壁が3mくらいならただの壁ですが、あれだけ長いから世界遺産になるんです。仕事もひたすら長いというのもひとつの武器といえるんじゃないでしょうか。
玉谷私、ちょうど会長が独立された年齢と同じなんです。今日、会長とお話をさせていただいて、自分はまだまだだなぁとつくづく感じております。
大嶋経験が長いと情報量も必然的に多くなるでしょ。駐車場のことならアイツに聞けばわかる、というような具合でね。たまに「まだ生きてるの?」って言われることもありますけどね(笑)。経験値と信頼感は比例するものでしょうね。
玉谷私も36年やってきている保険業界は貫いてこうと思います。
大嶋ただね、私の場合は駐車場のプロですけども、専門バカにはならないように考えています。これはどんなビジネスでも結構大切なことですよ。できるだけ離れた目線を持つこと、素人の目で見ようとすることも時には重要。経験や長さが裏目に出ることがあって、今までやってきたという自信がありすぎると見えなくなることもある。一番怖いのはそこかなぁ。
玉谷肝に銘じておきます。私を含め、たまたま会会員はすべて会長からみれば、ビジネスでも人生でも後輩になりますが、一言メッセージをいただけますか?
大嶋若い人の場合は、一気にそのエネルギーで突っ走ってビジネスを拡大していくのもひとつの方法だと思いますが、私の場合はその日の空気、その年の空気に合わせることを意識しています。波乗りのようなもので、大きな波ばかりくればいいけど、小さな波しかない時もある。そんな時は小さい波ならそれに合わせればいいんですよ。
玉谷ありがとうございます。会長には、その時の風を読む独特の感性があると感じます。それに、まだまだ仕事に燃えていらっしゃいますよね。
大嶋男から仕事を取ったら、何も残りませんからね(笑)。
玉谷確かに、そうですね。本日は、誠にありがとうございました。
<会談を終えて>
大嶋会長とのお話は、含蓄があるのに、非常にフランクに話をしていただけたので、あっという間のインタビュー時間でした。また機会があれば皆さんにも直接話を聞いていただけたらと思います。大嶋会長本当にありがとうございました。
会長は、業界の宝、いや国の宝と言っても過言ではないと思うほどの存在です。是非お体にはお気をつけて、これからもご活躍ください。 [玉谷 一夫]
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