~株式会社 駐車場綜合研究所 大嶋 翼さん~ (1/2)
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57歳で起業して、上場会社にまで発展
その基本は、“「ありがとう」の一言のために”
玉谷本日はお時間を取っていただいて、誠にありがとうございます。
大嶋どうぞよろしくお願いします。
玉谷会長のことをお聞きしたとき、まず驚いたのが、57歳で独立なされたということです。普通の感覚では、あり得ないことだと思うのですが……。
大嶋学校卒業して貸ビル会社で38年間サラリーマンをしていて、役員までやりました。それがある日突然、条件を提示されて、その条件で会社に残るか残らないかの選択を迫られたんです。その時、多分0コンマ1秒くらいで「出ます!」、って言ったんです。それが本当に独立のきっかけですね(笑)
玉谷えっ、そうなんですか?
大嶋妻にも、誰にも一切の相談なしですよ。
玉谷駐車場ビジネスの未来を見据えられて独立されたのだと思っていました。
大嶋出ますと言った後に、自分にできることは駐車場しかなかったんですよ。まぁ、やりたかったことではあるし、ずっと駐車場に関わった仕事をしていて、その問題点や可能性も肌で感じていましたからね。
玉谷別のインタビューで拝見したのですが、これだけ長い間駐車場に関わっているのは自分しかいない、と仰っておられましたね。
大嶋50年近くも駐車場に携わっているのは私くらいでしょう。世界的にもみても、駐車場だけのビジネスでずっとやってきている人はいないんじゃないでしょうか。駐車場を造る専門家はいても、その運営までわかっている人がいないんですよね。
玉谷確かにそうですよね。でも最近はけっこう注目されているんじゃないですか?
大嶋我々が都市のインフラ、基盤整備という意味で、駐車場は都市施設だ、と言い続けてきて、4~5年前からようやくいわゆる駐車場業界というものができてきた感じがしています。
玉谷これだけ車社会になっているのですから、駐車場はなくてはならないものですからね。
大嶋でも実際の駐車場の現場は、暗い・汚い・危険な3Kそのもので、恰好よくもない。しかも使う人にとってもサービス業として成り立っていなかった部分が多いと思います。
玉谷そこがビジネスのポイントだったんですね。
大嶋お客様の立場に立った「快適な駐車場づくり」、気持ちよく利用していただける駐車場サービスを提供することがこれからの時代は必要になると思っていました。1階にきれいで立派な玄関のある建物でも、地下の駐車場に入ったらうす暗い空間が広がっているようでは、ホスピタリティも何もあったものではないでしょ。
玉谷さすがですね。それで起業して、上場をしようとお考えになられたのですか?
大嶋まさか、そんなことは一切考えていませんでしたよ。
玉谷そうなんですか?上場をお考えになられたきっかけはあるのですか?
大嶋それは起業して7~8年経って、会社にいい人材が集まってきて業績も順調だったので、そういうことも考えてもいいかなぁと考え出しました。たくさんの社員の人たちの生活を維持するためという大義名分もあるし、起業から10年目の67歳で上場っていうのも今までにないことなのかなぁと思って……。
玉谷いやぁ、すごいですね。私も若い人ではたくさん上場を目指している人や上場した人を見てきましたが……。
大嶋私はこう考えているんです。夢を持って何かをするのもひとつだし、流れに流れてやるのもひとつじゃないかと。流れに沿った上でできるだけのことをやって、その結果どうなるのか。何をやるのでもいいんだけど、自分の心に素直にやることが大切だと考えています。
玉谷でも57歳で起業して上場するなんて並大抵のことではないですよ。
大嶋自分の心に素直なら、気が楽なんですよ。どちらかというと性格ものほほんとしていてね。普通の人が辛いと思うことを本人は感じていないのかもしれません。
玉谷本当にスケールの大きな方でいらっしゃいますね。あと私が非常に感銘を受けたのは、御社の企業理念です。『すべては「ありがとう」の一言のために』。いいお言葉ですね。
大嶋そう言ってもらえると嬉しいですね。「ありがとう」と言われることが、一番大切なことです。それは私自身心底そう思っています。単に車を止める場所を運営するのではなく、お客様に気持ちよく使っていただけるサービスを提供することが私たちの考える駐車場業です。多分、駐車場をサービス業と言った人も私たちの以前にはいないのではないでしょうか。その根本が『すべては「ありがとう」の一言のために』なのです。
玉谷本当にすばらしいお考えだと思います。
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