〜営業創造株式会社(BCC) 伊藤 一彦さん〜 (2/2)
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バランス・スコアカードの原点は、「日本の古き良き企業」にある
玉谷バランス・スコアカードの本をいただいたんですが、未だにベストセラーだそうですね。バランス・スコアカードとは、どんな出会いだったんですか?
伊藤あれはですね、バランス・スコアカード自体はたまたま古巣のNECさんがやってるセミナーで出会って。これはいいということで、まずはうちの社に導入してみました。
当時は大企業向けに広まっていたんですが、実際、弊社のような小さな会社の方が使えるなと思ったんです。でもちょっとコツがいる。もっと簡単にバランス・スコアカードを作れるようなソフトウェアや、参考書籍を作りたいと思いました。
ただ、当時うちは営業しかいない会社なので作れません。じゃあどこかでソフトウェア作れないかなと、ACさんに伺って、石井様と永沼様にお会いしたんです。私の方からバランス・スコアカードの説明もうまくできないので、世に出ている関連本を5冊ぐらい買って行って、これを使ったソフトウェアを作りたいと伝えました。そのレベルからお話したんですが、承知していただいて。びっくりしました。
インタビュー記事本文でも紹介されている“バランス・スコアカード”のレポートを自動作成するパッケージソフト「戦略創造.light」。資料請求はWEBサイトからも行っています。
http://www.e-senryaku.jp/index.html
玉谷このへんがACさんのすごいところですよね。引き受けてから一生懸命考えられるんでしょうね。結局やってしまうのがすごい。普通は「うちではそんなことやってません」で終わってしまう。でも変な話、この人とならずっとやっていけるなと思う瞬間ってあるじゃないですか。もっと言えば最初にあったときにピンとくる。出会いって、そういう時にお互いがドキっと刺さるんでしょうね。
ところで、バランス・スコアカードの真髄を教えていただけませんか。ひとことで言うのは難しいと思いますが。
伊藤そもそも何のためにバランス・スコアカードが必要か、というところがキーだと思うんです。 バランス・スコアカードを導入する本当の目的は、継続経営です。会社というのは継続的に続いていかなければならない。そのためには短期的にお金を儲けるだけではなく、人を育てたり、お客様を大事にすることや、組織を作ったり、そういったことが大事です。それをきちんと考えて経営していきましょうという、まさに「日本の古き良き企業」をアメリカの人が勉強して体系化したのがバランス・スコアカードと言われています。だから、逆輸入なんですよ。どちらかというと、バランスという英語より「ハーモニー」、調和を大事にしましょうというイメージでしょうか。いろんなお客様ともそうですし、社会全体との調和を保っていきましょうと。
玉谷私、京都の堀場さん(株式会社堀場製作所)の「京都の企業はなぜ独創的で業績がいいのか」という本を読み終えたところなんですが、ちょうど今のようなことを、長年京都の企業が続いてきた秘訣だとおっしゃってました。そういうことを、中小企業、中堅企業が、組織の中でみんなといっしょに考えるときに、全員のベクトルを合わせるために、バランス・スコアカードという方法で取り入れませんかということですか?
伊藤はい、おっしゃるとおりです。
玉谷経営者が本気で会社をどうしようかと悩んだ時に、社員もまきこんで導入するのにぴったりですね。
伊藤結局、書籍は1万3千部、DVDは700本、ソフトウェアも600本売れてます。改訂は2回、増刷は7回しています。 明日もちょうど京都の税理士会さんで、バランス・スコアカードの講演会をするんですが、京都で税理士が150人も集まるのは、我々のバランス・スコアカードのイベントぐらいみたいです。税理士の先生には、実はいちばんソフトウェアを買っていただいてまして、600本売れてるうちの約300本は士業の先生で、その中でもいちばん割合が高いのが税理士の先生です。税理士、診断士、ITコーディネーターの順ですね。
玉谷税理士の先生が、申告の仕事とは別の、何かのアクションを起こすにはバランス・スコアカードが一番いいということでしょうね。
伊藤そうですね。パターン化されているので分かりやすいし、このパターン通りやっていただいたら、とにかく何か出てきますよという薦め方ができるんですね。
京都の税理士協同組合さんも、今までは税法のセミナーばかりしていたんですが、我々のバランス・スコアカードで初めてやってみると非常に注目度が高くて、定員50名のところに150名も集まっていただいたので、2部屋からビデオ中継しました。それだけバランス・スコアカードを知りたいという税理士さん多いんだなあと。
玉谷あの業界でそこまでブランドを確立してきているというのはすごいですね。
伊藤バランス・スコアカードのことがわかるというセミナーや講習があれば、それなりの集客が今ならまだできると思います。
玉谷そうですか、是非今日の話を受けて何か企画したいと思います。
デザイン思考でビジネスを考える
玉谷それとこの間、「デザイン思考でビジネスを考える」というセミナーをACさんと一緒に開催されましたね。 あれはとても先進的だと思います。ちょっと冒険かもしれませんが、こういうことを分かる人が、大阪の経済を引っ張っていかないといけませんね。
伊藤デザイン思考という言葉が生まれたのはアメリカのビジネススクールあたりで、特に経営に近いところに創造性豊かな人間を配置すると、飛躍的に業績が上がるということが、海外で研究されているんです。極端に分かりやすくいうと、経営にスティーブ・ジョブズさんのような発想が必要ということです。
あのセミナーをしたそもそもの趣旨というのは、営業活動のなかで、単に人の派遣とか代理店だけではなく、販促の部分から手伝ってくれという案件が、去年の後半からずいぶん増えたんです。例えば、新しい商品サービスを作ったので、なんとか世に広めていきたい、というようなことなんですが、販促は弊社ではできないので、ACさんに相談することが毎週と言っていいくらいありまして。要するに、「営業派遣」と「どう売ればいいか」ということを全部ひっくるめたような依頼をお受けしていこうとしているんです。
玉谷それはいいですね。それ商品パッケージにしません?僕もそういうことをよく頼まれるんですよ。保険業なのに、地銀のシステムをどう展開していくかとか、専門外のことを聞かれることが結構多いもんですから、実はさっぱりわからない。そんなことも全部できます、と言って伊藤さんにお願いすればいい、というような。
伊藤そうですね。例えば、そのシステム自体のパッケージからネーミング、どこにどう攻めていくかというところから、実際にできたものを売りに行くところまでを共同でできます、というようなパッケージがこれからは求められているように思うんです。
それを一緒にやっていただけませんか?と今年の初めにACの荒川社長にお願いをしまして、それをがっつりやるためにはぐっとオフィスもくっつけてやりたいなということで、こちらにお邪魔するということになりました。
営業創造株式会社とアルファクリエイト株式会社のアライアンスで、デザイン思考を活用した「+αの視点」を持つことの重要性や発想を広く伝える活動を行っています。現在、facebookにてセミナー情報などを公開しています。
https://www.facebook.com/plus.Alpha
玉谷そういう話だったのか。僕も、そんなことを頼んでくる人がいたら、ぜひお願いしたいです。
伊藤ITで営業したい、ITでこんなものを売りたい、ITの商品を売りたい、とかいうキーワードがちらっとでも出ましたら、ぜひご相談いただけたらと思います。
今までは受けられなかった仕事も、ACさんと一緒なら受けられるというのが本当に増えまして。今までですと、営業を派遣するとなるとそれなりの単価や規模の会社じゃないと難しかったのが、もっと規模の小さな会社も含めてご相談に乗れるようになりましたので。
玉谷今の派遣先は、NECのような巨大企業がメインなんですか?
伊藤そういうのが多いですね。最近では、日本に進出してきた外資系の会社の方もあります。日本で販路を作りたいが、できる人がいないといった場合の支援もさせていただいております。
玉谷これまでに、大きく3つのお話を聞きましたが、それぞれに組める部分がありそうですね。
伊藤ITの営業、税理士さん向けのバランス・スコアカード、バランス・スコアカードとデザイン思考、というのも全て繋がっています。
たとえばデータや情報をどう読み取って、どういう着眼点でどう組み立てて戦略にするか、というアイデアの部分が、我々って案外みんな弱いんですよ。結局、「こんなものがあったらいいんじゃないかな」という、想いめぐらす「想像」の部分が、今のビジネスマンには欠けてる人が多いんじゃないかと思うんです。
それから、リスクヘッジに走ったり、無難なプランしか出てこないというのをぶち壊さないときっと大ヒットはないと思うんですよね。
玉谷そうですよね、今までの経験の範囲でものを言ってるだけでは、面白くもなんともないんですよね。 では最後に、今後どういう方向を目指されているのかというお話と、どこまで行きたいと考えておられるのかをお聞かせください。もちろん上場という話はあると思いますが……。
伊藤わが社のミッションは、やはりIT業界の営業マンの価値・地位の向上です。それは引き続きやっていきたいと思っています。そんな中で、株式上場は一つのハードルとして越えていきたいなと。
ただIT業界の営業の価値を向上するというのは、今やっている大手IT企業様の支援だけではなく、いわゆるベンチャー企業さんのような、最近商品を作ったばかりのような会社の支援をできて初めてITの営業の価値は上がると思っています。
そこをACさんと一緒になってですね、新商品をいい形でデザインし、デザイン思考でビジネスを組み立てて、我々は人も含めて世に広めるという、そんなところまでをいくつか実際に成功事例をつくることができるといいなと。そんなレベルで実際に事業を展開できる会社は日本にまだないと思います。
玉谷ないでしょうね。僕も、そういう情報を知っているとお繋ぎするだけで、ものすごく感謝されることがあるので、そういう中小企業、中堅企業、ベンチャー系も含めてサポートしていただくようなACさんとのコラボ、期待してやみません。今日はありがとうございました。
伊藤ありがとうございました。
<会談を終えて>
伊藤社長の創業期のご苦労、初めてお聞きして、ドラマを感じました。
事業を起こすということは、ものすごいパワーがいるものだと、再度思った次第です。
また、バランス・スコアカードのことが、やっと理解できて、これは使えるという感覚になりました。ますます、頑張ってください!
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