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たまたま会談Vol.08

〜株式会社JP Links 代表取締役 中村景太 様〜 (2/2)

多くの奇跡的な「縁」に恵まれて、ビジネスアイデアが形になった

中村景太

玉谷「たまたま出会えた」という「縁」がビジネスに大きな影響を与えると僕は考えるんだけど、例えば仮にこのようなビジネスアイデアを思いついたとして、なんのパイプもなければ、銀行に飛び込んでも支店長に話を聞いてもらえないよね。越えられそうにない壁があったときに協力してくれる人との縁はありましたか?

中村ありました。それも一つや二つだけでなく。金融出身の椎名には銀行関係に多くのパイプがあり、いろんな方たちを紹介してもらえました。また、システムの絵を描いたのは僕たちですが、実際にシステムを作ってもらった会社は多くの金融機関のシステム開発に携わった実績を持っていらっしゃった。このように、いただいた多くのご縁と関わっていただいた会社の実績と我々の事業アイデアが重なったからこそ、銀行が門を開けてくれたのだと思っています。

玉谷思えば椎名さんとの出会いも奇遇だったよね。

中村H通信の時に机を並べていたのが縁でしたね。2ヶ月くらいですけど、同僚でした。彼が人事異動で別の部署に移った時に、後任担当者として彼の案件を受け継いだのが親しくなったきっかけです。

玉谷同じ金融畑出身で、たまたま同じ事業アイデアを持っていたんだから奇跡だよ。

中村ところが2ヵ月間一緒に働いている時は一切事業の話は出なくてね(笑)彼が辞めて、私も辞めて久しぶりに会った時に、「何をやるんですか」と聞いたんです。すると「振込手数料の削減をやろうと考えているんですよ」と言われて。「僕もやりたいと思っていたんですよ」と盛り上がって。

玉谷ちょっと話ができ過ぎだね!(笑)

中村次の日、もう一回会って詳しく話し合ってみたらまったく同じ考えだとわかって、これなら一緒にやったほうが話が早いですよね、となったんです。そこで、椎名さんは何ができるんですかという話になりました。すると、金融業界のコネクションがすごい。立ち上げの時にそういったコネクションがあると、銀行に対して窓口が広くなるでしょう。それで、一緒にやりましょうかという話になりました。

玉谷本当に、事業というのは奇跡的な出会いのくり返し。
今までのY生命の経験と、MS銀行、H通信と経験してきたことがあいまって。それに中村さんが貫いているものがよかったんだろうね。

中村玉谷さんとの出会いもKさんのご紹介でした。そもそもKさんとの出会いは、H通信時代の同僚が保証会社をしていて、その会社もOキャピタルから出資を受けていた。それで、「僕ら、システムを作るときにかなりお金が出ていっていたので、大変なんだよね」と相談したところ、Kさんを紹介していただいたんです。即決で投資してもらい、「営業で苦労してるんですよ」と伝えると、「地域的に攻めたいところないの?」と助言をもらい、土地勘もあったので大阪を攻めたいと伝えると、「大阪なら玉谷さんだね」と紹介してくださいました。

玉谷今だから言うけど、初めて一緒に銀座で食事をした時に、Kさんは日本人なのにアメリカなまりで、「どうなんだろう?」と思ったよ(笑)
しかも話を聞いてみると「振込手数料」と言われ、またか!と(笑)
周りの人からも、「振込手数料はやめた方がいいですよ」って言われていたんです。

中村受け入れてもらえないだろうなとは、思っていました。

玉谷でも、ビジネスって会ってみないと本当にわからないんですよ。その時の波動とか、想いとか。僕はH通信の話を聞いたときに、瞬間的に心が動いたんですよ。

中村当時、銀行を辞める時も「本当にいいんですか、思ったより厳しいですよ」と忠告されました。しかし、結果的にH通信で学べたことはたくさんありました。保険や銀行の時は対面を鉄則にやっていたんですけど、H通信を通して対面営業という固定観念が消えました。電話営業のほうが回転効率が良くて、成約率も思ったより高い。対面営業だとその人の雰囲気とか身振り手振りで印象が変わると思うのですが、電話だとそれが見えない分、むしろ話に集中できるので、同じ確率が出せるんですよね。

玉谷僕みたいに普通の人は電話なんて、と思っちゃうんだけど、それが逆に効果的だったんですね。

中村保険もそうですけどね。金融系の商品って説明が徹底的に必要になるじゃないですか。僕ら金融系商品ではないですけど、あの経験値がないと、これだけ電話でできるという自信はなかったですね。

玉谷相手に信用してもらえることも重要だよね。まず銀行に信用してもらうこと。2人の間でビジネスモデルを信用し合えたこと。銀行に営業に行って信用してもらったこと。そして、顧客に信用してもらって振り込んでもらったこと。事業を進める中で、信用を得るために気をつけていることはありますか?

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中村風評も気をつけなくてはなりませんが、まずは信託とか保証システムなど考えられる信用を補完していくことです。私たちはベンチャーである以上、上場をしない限り会社名だけで信用してもらえることはないと思うんですよ。だからご用意するコンテンツは信用のできるものを確実にご提供していく。次に、ハード面ではなく、ソフト面や営業についてですね。いきなりの飛び込み訪問は、ほぼやっていません。現在、取引は信頼のある方からの紹介がほとんどを占めています。営業も成約率が約6割。ダイレクトの飛び込みやメールはまったくおこなっていません。

玉谷確かに。いきなりメールで「振込手数料が下がります」ってきたら怪しいもんね(笑)

中村大阪で広まりつつある時は、玉谷さんの紹介だけだったんです。私たちの信用力ではなくて、玉谷さんの信用力の上に乗っからせてもらって走らせていただいたと思っています。

玉谷名古屋でも中村さんを囲む飲み会をやったよね。僕がそうやってお手伝いをしたというのは、結局「これって面白いやん、みんなに知らしめたい!」って中村さんが思わせてくれたからなんだよね。
僕の人脈に「この人は紹介しても大丈夫だ」って思えたのは、中村さんから感じた波動ですね。何回か会っていると、もし嘘をついていたらわかりますから。会食しながらも、本気で話しているからわかることなんだろうけど。

中村生意気ですが誤解を恐れず言うと、僕の感じた玉谷さんの最初の印象は、斜に構えていらっしゃるな、というものでした。「とりあえず資料だけ送って。見とくわ」としか言われなかったんですから。大阪の感覚値から考えると「見とくわ」って言われた時は無理なんです。大阪の社長さんは「やるわ!」か「やらんわ!」の即決で、「見とくわ」と言われた時の7割は無理だと思っていたんですよ。すると、1週間後に玉谷さんから「やるわ!」っていう電話がかかってきた(笑)

玉谷そうだった?(笑)

中村初めての営業の時、1日で7件紹介していただきました。最後に飲み会を開いていただいて、その時にO社長をご紹介していただきました。

玉谷「1日空けといて」と言って、朝から晩まで回って、夜に大勢集めて飲み会をしようと言ったんだよね。その後も1日で一気に紹介先を回るっていうのを何回かやったよね。
最初は素気なかったかもしれないけど、僕には波動が合って面白いなという直感があった。ビジネススキームとしても色んな人に当てはまるので、この人のために、誰を紹介するのがベストなのか1週間かけてリストアップしていたんです。中村さんの顔を思い浮かべながらね。

中村そうだったんですか(笑)当初は月に1回大阪に来るか来ないかだったんですけども、玉谷さんからご紹介いただいた方々が、次々と「ここ行こうか」と言ってくださって。そのうち2週間に3日は来るようになって、1日は玉谷さんと一緒に回って、残りの2日で玉谷さんにご紹介いただいたところを自分で回っていました。

玉谷縁やね。ただ、縁を縁として活かせるか、活かせないかはその人次第。中村さんは見事に活かされたわけです。

銀行ができない着金の保証も実現。これからも顧客にとってベストなサービスを創出したい

中村景太

玉谷2月から始めた即時入金のシステムは、画期的ですね。

中村当日の11時半までに送金いただくと即日着金できますから、お客様にとってより便利にご利用いただけるようになりました。
起業した当初、システム構築のお金が足りなくなった時に銀行へ行くと、「どんな商売なんですか」と訊かれ、「振込手数料を削減するんですよ」って言うと「そんなの貸せないですよ」とまともに言われました。審査までたどり着くことさえできなかった。こんなことをされていたら、僕たちみたいなベンチャーは一生芽が出ないなと思いました。
手数料を下げるのは顧客にとってメリットがあるサービスなのだから、私たちベンチャーに開放してほしい、銀行は本業の部分で日本経済を潤してくださいよ、という忸怩たる思いがありましたね。
玉谷さんにご紹介いただいた銀行の保険というのもそう。銀行には保険という概念自体がないんです。着金時間はお約束できません、と謳っているんですよ。「指定できるけど、お約束はできません」と。
でもそれでは取引上、困りますよね。僕らはお客様が困らないように、信用補完だけでなく保全をすべきだと考え保険を入れました。 また最近では、当日送金をしなくなってきている地銀も多い。だとすれば、当日送金できるようにすれば銀行を利用するよりも、当社を利用する方がメリットも大きい。ついでに安ければベストだと思っています。

玉谷JP Linksのサービスを利用する企業は業務を効率化できるということだね。

中村ある自動販売機の設置会社は、売れた本数に対していくら支払うという形で設置手数料を振り込んでいて、この作業を事務員3人でおこなっていたんですが、JP Linksのシステムを取り入れることで、2人分の人件費がまるまる浮きました。私たちのシステムがコストダウンに貢献できたという、うれしい例でしたね。
弊社は今期で4期目に入ります。これからは、とにかくベースを積み上げ、信頼の補完やWEBマーケティングに一層力を注いで、お客様の利便をより良くできるよう取り組んでいきたいと考えています。

玉谷期待しています。

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<今回の会談相手>

株式会社JP Links
代表取締役
中村景太さん
中村景太


株式会社JP Links

■本社
宮城県仙台市宮城野区榴岡5-12-55

■設立
2012年4月

■資本金
6億円